「今ならまだ、マスター・ヒューが見れるよ!」
Yさんが興奮ぎみに教えてくれました
薔薇園を歩き回った私とH子ちゃんはいい加減疲れきっていましたが
あの寡黙なYさんが「素晴らしいから必ず見て行って!」と、念を押すのだから・・・
再び園に戻り探すことに
探しても探しても見つからない・・・方向音痴ですからね(笑)
「Yさんには悪いけど帰ろうよお~」と振り返ろうとしたその時に目の前にありました!
!!!
本当に美しかった
アンテイークのタッセルみたいなふさふさ
赤紫のタクヨウ
葉脈のしっかりした濃い緑の葉
そしてフラゴン型の実
なんてシックなんだろう・・・この世にこんなにシックなものがあるでしょうか
マスター・ヒューの花殻の周りを行ったり来たり写真を撮る私
さぞ怪しかったのでしょう・・・職員さんに声かけられちゃいましたヨ
他人からすればただの花の終わった木、ですものね
Yさんのお話ですと日本でマスター・ヒューが実を作る事はとても珍しいのだそうです
寒い国の薔薇なのですね
頑張って実を残そうとしていたのですね
日本の暑い夏
マスター・ヒューはある日突然ポロリと落ちてしまうのだそう
咲きながらにして実をつけるセントニコラスとそのタクヨウが好きだと話した私を憶えていて下さって
マスター・ヒューのことを教えてくださったのでしょうか
美しさは様々なところに潜んでいるものです
でもそれは・・・見える人、見えない人、見えるとき、見えないとき、
とてもデリケートなものですね
同じ感覚でものを感じられる友人と見れたことも嬉しく思います
遅い春この薔薇園を訪れる楽しみがまたひとつ増えました