二十代前半に誂えた着物です。
天邪鬼だった私は人と同じが嫌で、
若い子が着ているのを余り見た事がない沖縄紅型の着物にしました。
民芸チックに偏りすぎたくなかったから、生地、染め、からオーダーしました。
地模様には大好きな亀甲を波のように拡げてもらいました。
とくに背が美しいように。
高畠華宵の絵の中の不良な感じのご令嬢みたいなイメージで。
亀甲は私の一番好きな文様です。
気が遠くなるような紅型染の作業。
美しいです。
昔も今も。
若い娘が細かく細かく注文を出してきて、各工程の職人さん、さぞ煩かったでしょう。
でも楽しんでくださったと思います。。。
いいでしょう〜?
外車1台分のお値段になりましたが、それ以上に満足でした。
今も尚、満足しています。
若い頃とは帯を変えて今も着ています。
ここぞ!という時に!
30代までかなーーと思っていましたが、40代でも着ちゃう♪
ごく古典な柄を紅型で。。。気に入っています。
幼少時から着物を誂えてれる母に叔母達に、
子供っぽい麻の葉柄の着物より亀甲がいい〜矢羽根がいい〜と言っていました。
今回疎開した美濃市の紋章は亀甲でした。
それを見た時、やっぱりね。。とつぶやいてしまいました。
ご縁というものは巡り巡っているものですね。
無意識におこなって来たことの中にこそ大事なキーワードは散らばっていて。。。
予言めいたものが多いように感じます。
この時、生地を染めてくださった方は無形文化財の女性でした。
着物の内側に名前が入っていました。
恵子さん。
私はどうもこの名前の女性に深くご縁があるようです。
もちろん好い事の♪
日本の『美』ほど洗練されて粋で華やかで。。こんなに深いものはありません。
美濃市という古く美しい町に疎開して、そのことに改めて気がつきました。
手仕事や文化を途絶えさせてはいけない。
安い早い量販品にはない大事なものが潜んでいます。
私は、日本にはもう文化しかないのでは?とさえ思っています。
武器を放棄する代わりに日本文化の美を復活させたい。
友人の
sakiさんとお話しさせて頂いた時に知ったことですが、
才能のある職人さんが食べていけず、どんどん辞めてしまわれるそうです。
言葉がありません。
経済優先のその先が自殺者の山となった日本。
美しいものは心も育てます。
本当に美しいものを作る人は美しいと私は信じています。
職人さんには誇りがあります。
金のためだけに仕事をしているのではありません。
これからは日本の素晴らしい手仕事の紹介を増やしていきたいと思います。
埋れさせてはなりません。
失うということは二度と戻ってこないことが多いのですから。
どうぞ、よろしくお願いします。